代表あいさつ


ことばやコミュニケーションは、人が生きていくうえでほんとうに大切なものです。
この会は、ことばや発達に気がかりなことがある、あるいは障害のある子どもさんたちのことばやコミュニケーションの育ちを応援しようと願うST(言語聴覚士)の集まりです。

まだまだ知られていませんが大切な職種であると自負しています。
親子さんの幸せな未来を作り出せるよう、ST以外の学校の先生など隣接分野の方たちとも協力し、情報交換や研修機会の提供などにつとめます。

2019年2月 子どもの発達支援を考えるSTの会代表
                                           中川信子



設立について


療育・相談機関、病院、また、市町村の1歳6か月健診・三歳児健診などで、幼い子どもにかかわるSTがふえてきました。発達になんらかの問題を持つ子は、「ことばの遅れ」が相談のきっかけになることが多いため、STが会うお子さんの中には「障害」とも「障害ではない」とも決められないお子さんも、多く含まれます。
また、最近関心が高まっているLD、ADHD、自閉症スペクトラム症などの子どもたちのコミュニケーション支援において、STが大きな役割を果たすことができることは、明らかです。
にもかかわらず、日本では、まだ、STとしての安定した継続相談の体制が整っておらず、きわめて不十分なフォローだけで子どもとその親とを支えざるをえない現状があります。
子どもの状態を把握し、お母さん・お父さんの理解を得つつ、子どものよりよい発達を支えてゆくために、誰と手を組み、何をすればいいのか、現場にいるSTはみんな、悩みながら、手探り状態で、臨床を続けています。
STの配置は都市に偏っており、地域差がとても大きいのが実情です。人的資源の乏しい地域性を逆手にとって、保育園や幼稚園、母子保健の関係者など、他職種と連携しつつ、広く親子を支えるという考え方で成果をあげているSTも数多く存在します。そういう人たちの経験を知ることによって、STとしての仕事の範囲を広げてゆけるかもしれません。
子どもの領域で長く仕事をしてきたSTの中には、豊かな経験やすぐれた力量を持つにもかかわらず、言語聴覚士の国家試験に際しては、非常に不利な立場を余儀なくされている人も多く見受けられます。
この会は、ST資格の有無にかかわらず、実際に子どもの発達支援の現場にいるSTたちが、必要な情報を交換し、お互いの知恵やノウハウを共有してゆくための“ひろば”となることをめざしています。日本のどこに住んでいても、等しく、ことばや発達についてSTに相談でき、継続的な発達支援を受けられるようなSTネットワークを作ってゆきたいものです。
この会をひとつのよりどころとして、STに寄せられる社会からの大きな期待を知り、自分たちにできることを考えてゆければと思います。

親子の初期のコミュニケーション改善を手助けし、その後のしあわせな人生の基礎をつくるために役に立つ職種としてSTが認知され、質・量ともに広がる一助になりますように。

中川信子(代表)   
田坂和子(2016年逝去)
鈴木弘二(2020年逝去)





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